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Case21症例21

フィラリア

【原因】
フィラリアの感染子虫を持っている蚊にさされることによって感染します。(人も感染)
【感染サイクル】
感染犬の血液にいるミクロフィラリア(ビデオ参照)は吸血時に吸い取った蚊の体内で感染子虫に成長して 再び蚊が吸血した際に犬の体内に入り、肺動脈や心臓に移動します。侵入後約6ヶ月くらいで成虫になり雌が血液の中にミクロフィラリアを放出します。 このサイクルを繰り返します。
【症状】
慢性では咳や運動不耐性、腹水などがみられるようになります。急性では血尿や呼吸の異常が起こってきます。
虫体は10-20㎝くらいになるため体が小さい犬では数匹寄生しただけでも症状がでることがあります。 逆に体が大きいと心臓も大きいので数年かけて心臓にフィラリアが寄生していくことで症状がでてきます。
【診断】
血液検査でフィラリア抗原をみる方法が一般的ですが、血中のミクロフィラリアをみつけることでも確定できます。
※フィラリア成虫は雄と雌がいて、オスだけ寄生する場合はミクロフィラリアはみえません。
【治療】
急性の場合では手術によって寄生虫をとりだしますが、大きいリスクも伴います。 症状がない場合はこれ以上増やさないために予防を行います。 現在の予防薬は非常によいため予防をしていれば感染することはありません。

顕微鏡写真:ミクロフィラリア

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Case20症例20

疥癬

【原因】
ヒゼンダニが原因となります。
感染源である動物との接触で感染します。(人も感染)
【症状】
痒みが強く、皮膚から出血するほどかきむしります。
犬では耳周りや肘にフケのような病変がでるのが典型的ですが、全身的な痒みのみの場合もあります。
猫では頭部に病変がでます。進行するにつれて顔つきが変わってしまいます。
【診断】
病変を顕微鏡でみて虫体や卵を確認しますが、なかなか見つからない場合もあります。
皮膚検査で確認できなくても痒みの強さや同居の動物が同様な症状がでていないかなどで判断します。
【治療】
ノミダニ駆除用の薬で効果がありますので、昔に比べて簡単に駆除できます。

顕微鏡写真

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Case19症例19

雄猫の尿道閉塞

猫の下部尿路疾患で多い症状になります。
【原因】
昔は食餌が原因といわれていましたが、現在ではストレス、体質、肥満など様々な要因があるようです。
【症状】
初期は頻尿(トイレにいく回数が多い)、血尿などの膀胱炎の症状です。
進行すると雄猫では尿道に砂状の結晶が蓄積して尿がでなくなります。
尿がでない場合、トイレに長くいたり排尿時にないたり気張りすぎて排便することもあります。
頻尿がなく血尿のみの場合は特発性膀胱炎の可能性があります。
【診断】
触診で膀胱の緊張をみます。膀胱が硬くなっていれば尿がでていない状態です。
初期では尿検査では尿中に結晶が見つからないこともあります。
近年ではストラバイト対応の食餌になってきているため別の成分の結石になることもあります。
ストラバイト以外の結石の場合は結晶の確認ができないことが多く溶解しないため、結石を取り除く手術が必要になります。
【治療】
ストラバイト結晶がある場合は食餌療法が基本になります。
尿道が閉塞している場合はそれを解除します。 閉塞の解除が遅れると入院治療が必要なほど重症になってしまいます。

写真1:顕微鏡でみたストラバイト結晶
写真2:沈殿したストラバイト
写真3:乾燥した結晶

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Case18症例18

股関節脱臼

犬に起きることが多いです。猫では交通事故での症例です。
【原因】
ジャンプの着地時や溝に落ちた、足が何かにひっかかった時など。
交通事故
【症状】
骨折ほどではありませんが脱臼直後はかなりの疼痛です。
三本足で歩く、患肢は着地しませんが軽く浮かしているような状態です。
【治療】
麻酔下で関節を戻してみる方法もありますが、麻酔が覚めたら再脱臼する確率が高いため、当院では外科的に整復するようにしています。 再脱臼を繰り返す場合、経過が長い場合は骨頭を切除する手術が適応になります。
【経過】
一週間くらい入院安静させてから退院となります。

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Case17症例17

異物の誤飲

犬猫は食べ物ではないものを食べてしまうことがあります。 それは年齢に関係なくおこりますが若い犬猫のほうが多いです。 下の写真は縫い針を飲み込んだ例です。
【症状】
今回は胃や腸管の通過障害をおこすものではありませんでしたが腸にささる可能性がありました。 針はすでに腸に達していますがこの時点での症状はありませんでした。
【治療】
手術で針を摘出するのがよい方法ですが、諸条件を考慮して今回は通過するのを待ちました。
【経過】
一週間後のエックス線検査で針が無事に排出されたことが確認できました。
通常、異物が胃にある場合は嘔吐させることが多いですが、骨や針など先が尖ったものは催吐により食道にささる危険性があるため摘出手術を選択します。 今回のようにうまく排出される場合もありますが、腸に刺さる危険性もあるため通過を待つことがベストな方法ではありません。

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Case16症例16

卵巣腫瘍

15歳の小型犬でみられた症例です。
【症状】
元気食欲がなくなり動かなくなったので来院しました。
【診断】
身体検査では熱や聴診などは問題ありませんでしたが、触診で腹部に腫瘤を触知したため超音波検査とX線検査を実施したところ腹腔内の腫瘤を確認、 血液検査には異常がないため腫瘤からの痛みが原因と考えられました。
【治療】
内科治療より外科治療が適切であり、血液検査等から手術は可能と診断し飼主様と相談の上手術を実施しました。 開腹したところ、病巣は卵巣であったが他の臓器との癒着はなかった(写真参照)ため、卵巣と子宮を切除して手術を終了しました。
【術後】
三日後に元気食欲が正常にもどりました。
【腫瘍の検査結果】
腺癌:リンパ管や血管から腫瘍細胞は認められないことから転移の可能性は低いと診断されました。

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Case15症例15

糖尿病

糖尿病は血中のグルコース(=血糖値:GLU)が高すぎることで腎臓でのグルコースの再吸収が間に合わなくなり、 尿中にグルコースが排出されてしまう状態です。原因は膵臓から分泌されるインシュリンが不足するためです。 以下簡潔にまとめてみました。
【症状】
多飲多尿、食欲の亢進=主な症状
※進行すると食欲が低下・廃絶
【診断】
血糖値の測定と尿中のグルコースで診断
【治療】
犬猫ともインシュリン投与でコントロール
食欲があれば通院にてインシュリンの量を調整
状態が悪ければ入院して輸液などの治療が必要
【その他】
食事管理が必要
避妊去勢が必要=性ホルモンの影響があるとコントロールが難しいため
どこかに炎症があると血糖値をコントロールしにくくなる場合あり
進行すると全組織に影響がでて死亡する
猫は治療していくとインシュリンが要らなくなる場合あり
※インシュリンはほんの微量で血中グルコースの値が変わってくるので、インシュリンをシリンジに吸ってからお渡ししています。

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Case14症例14

子宮蓄膿症

避妊手術をしていない、出産経験のない、中年以降の犬猫での発症が多いです。(必ず発症するわけではありません)
発情後3~4週間目くらいの時期に発症してきます。
【症状】
陰部から膿性の、または出血性のおりものがでて元気食欲がない。
発熱、水をよく飲む、すぐに座り込む、腹部への接触を嫌がる、など。
【診断】
超音波検査で子宮の腫れを確認
血液検査で白血球数とCRPの上昇と発熱
検査と症状が蓄膿症に一致する
【治療】
手術で子宮を摘出するのがベスト。
内科的治療では再発する可能性あり。
【注意】
症状がありながら数日経過観察していると合併症(膵炎や腹膜炎=腹痛あり、腎不全等)を起こすこともありますので、 気がついた時点での診察をお薦めいたします。

写真:摘出した子宮と卵巣、注射器内は子宮内の膿

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Case13症例13

犬の乳腺腫瘍

【悪性か良性かの判断】
ご家庭での判断としては、急に大きくなる(1-4週間で)場合や 何らかの症状を伴う場合(痛がったり痒がったりするなど)、触ってみてお腹の筋肉に張り付いて動かない場合などは悪性を疑います。 乳腺腫瘍は良性組織と悪性組織が混在する場合があるので通常は切除して病理検査で判定します。
【手術実施の目安】
腫瘍の大きさ(直径)が2センチ以上になった場合に切除を推奨していますが、2センチ以下での切除はより有効です。
【手術について】
腫瘍が特別大きくないかぎりは日帰りで実施しています。 腫瘍周囲を少し大きく切除する部分切除を行います。(写真参照:良性) 大半が避妊手術をしていない犬に発生しますので同時に避妊手術を行う場合は一日入院となります。
手術を行わないとどうなる?
少しずつ大きくなったり、急に大きくなったり(悪性に転じる場合もあり)します。

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Case12症例12

壺形吸虫

一般的には感染することはない寄生虫だと思います。
カエルやヘビを食べることで感染するので外出する猫は注意してください。
寄生部位は小腸で下痢を引き起こします。感染で栄養障害を呈するため痩せてきます。
猫が終宿主ですが、犬にも寄生します。注射で駆除します。
写真:大きいのが壺形吸虫卵、小さいのはマンソン烈頭条虫卵

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Case11症例11

マラセチア

真菌(カビ)の一種で外耳炎や皮膚病の原因となっています。 写真のように酵母に似た形をしています。
外耳炎では黒っぽい耳垢がみられることが多く、耳ダニと間違われます。 皮膚病では痒みを伴い皮膚がベタつくような状態になることが多いです。
人でもニキビの原因などにもなり、常在菌として存在しますが犬のマラセチアの種類とは異なります。
皮脂を好みます。 体の抗力が落ちたときにも発症しやすくなります。また体質との関連もあるようです。

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Case10症例10

会陰ヘルニア

会陰ヘルニアは去勢手術をしていないシニア年齢の雄犬に発症しやすい疾患です。
【原因】
肛門を支えていた周囲の筋肉組織が消失してしまうためです。雄のホルモンが原因とされています。
【症状】
肛門を支える組織が消失したため肛門の位置が不安定になり、便が排出できなくなる排便障害
膀胱が反転して肛門付近まででてしまうために起こる排尿障害
【診断】
X線検査、触診
【治療】
手術:肛門位置の固定と去勢手術
※手術法はいくつかあります。
※再発することもあります。

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Case9症例9

歯根膿瘍

【原因】
歯石や歯周病等により、歯の根元(=歯根、顎の骨に埋まっている部分)が化膿して起きます。
【症状】
目の下が腫れる(上の臼歯の場合)、膿性のくしゃみ(主に犬歯)、食べにくそうにする、食欲がないなどです。 【治療】
原因の歯を抜歯することです。
抗生物質を使って一時的には抑えることも可能ですが、再発します。

写真は上の臼歯の歯根膿瘍の病変です。写真中央にうつっているの穴から膿が排出しました。 排出前はその場所は腫れて膨らんでいました。

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Case8症例8

橈骨骨折:1

小型犬に多い前肢の骨折です。交通事故ではなく、家の中の少し高いところから飛び降りた時に骨折してしまうことが多いです。
この症例は骨が細すぎてプレートの適用が難しいため、ピンニングという手法を使いました。(体重:2.4kg)
ピンの直径は0.8mm、これだけではすぐに曲がってしまうためギプスを使用して運動制限をします。
すぐに帰宅してしまうと運動制限がうまくできず再骨折や接合部が曲がってしまう可能性が高いため、約一ヶ月入院させてケージ内で運動制限を行いました。 術後は三ヶ月ギプスの補助固定を継続し、その後レントゲンを撮影して骨の治癒を確認してからピンを抜きました。

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Case7症例7

回虫

写真は回虫の卵です。回虫は形はミミズににており色は白っぽいです。
嘔吐した時に「輪ゴムみたいな虫がでた」と話される飼主の方が多いです。 それは、でてきた時に丸まっているからです。
口から感染する経口感染です。虫卵は便に排出されます。 感染経路が口→腸管→血流を介して肝臓→肺→気管→口から腸に戻り成虫→産卵:便に卵という具合に体を回ることから回虫という名前がついています。
症状は下痢が主になります。親から体内にいる時に感染するので幼猫幼犬の下痢は注意してください。人にも寄生しますので手洗いを忘れずに。

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Case6症例6

角膜潰瘍

角膜の表面が削れてしまった状態で、専用染色液で染まります。色がついている所が潰瘍部分です。
原因はほぼ外的要因です。顔を草などにつっこんだ時とか、遊んでいてぶつかった時、目が痒くなって引っかいたときなど様々です。
症状は目を細めてまぶしそうな感じの行動をとり、白目部分に充血がみられます。
軽度であれば点眼で治癒しますが、傷が深いと外科的処置が必要になる場合もあります。

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Case5症例5

耳ダニ

子犬や子猫にみられることがほとんどで、あとは外出する猫がうつされる場合です。
【原因】
耳ダニは仲間同士や親から感染します。
【症状】
耳を異状に痒がり、黒っぽい耳垢がでてきます。
【診断】
耳垢をよくみると白っぽいものが動いているのがわかるります。
動画は顕微鏡で撮影したものです。
【治療】
効果の高い薬がありますのでそれを使えば駆除できます。

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Case3症例4

皮膚糸状菌症

糸状菌はカビです。
【症状】
痒みは強くはでません。乾燥したフケのようなものがでて脱毛してきます。
写真に印のついている所の丸いものが胞子になります。
【診断】
病変部を顕微鏡でみると菌糸や胞子が確認できます。また紫外線をあてると光ります。
【治療】
投薬やシャンプー、環境の洗浄で治療していきます。

健康な犬猫に常在しているといわれており、免疫の低下で発症する疑いがあるようですがまだ明らかになっていません。
子猫での発生が多くみられます。また、接触により人へも感染しますので注意が必要です。

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Case3症例3

ジアルジア症

原虫の感染により下痢を引き起こします。 衛生環境が悪いところで発生しており、人にも感染します。 子犬での発生が多数です。おそらく環境が原因と思われます。血の混じった下痢や軟便が続き、食欲が落ちます。 右動画で動いている原虫が、左上と右下に認められます。 原虫は猫では駆虫が困難な場合があります。トリコモナスも同様の症状を呈します。
※画像は動画です。ブラウザによってはうまく作動しない場合がございます。

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Case2症例2

マンソン烈頭条虫

【原因】
ヘビやカエルなどを食べて感染する寄生虫です。
ヘビなどの体内で犬猫などに感染できる虫体になって食べられるのを待っており、その時に食べられることで寄生します。
写真は虫本体、右上が虫卵になります。
【症状】
下痢
【治療】
注射、錠剤、スポット剤

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Case1症例1

悪性黒色腫

猫より犬に多く認められる腫瘍で、口腔内に発生することが多いです。
早期に腫瘍を切除できれば予後に期待がもてますが、転移などしやすく根治治療も難しいのが現状です。
写真の黒い腫瘤が悪性黒色腫です。形状はこれ以外にも、出血を伴ったものや黒くないものなど様々あります。 口腔内でみつかることが多いですが、その他の場所でも発生します。
写真の症例は下顎にできた腫瘍で骨ごと切除しました。一年ほどよかったのですが肛門腺に再発してしまいました。
内科的には治療は難しく、外科切除プラス分子標的薬や免疫療法などが研究されています。

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